KOSUGI ARCHITECT'S OFFICE & KATUKENSETU, LTD.

耐震について詳しく解説!

その1.建物検査=インスペクションについて

調査中の小杉敬太郎いま日本の宅建業界の中で、もっとも注目されている「インスペクション」の話を少ししておきましょう。インスペクションは直訳すると調査、検査、視察、査察などの意味を持つ英単語です。国土公交通省は、中古住宅流通・リフォームの活性化を図る活動を開始しています。この中古住宅のインスペクションが話題であり、注目をあびだしています。

彼らがやろうとしているのは、新築同様、中古住宅というものを、もっとよりよく活用しようとする政策です。現状においては、整備されはじめていると言ったほうが良いかもしれませんが、買主が何も知らずに中古住宅を購入してしまうのを防ぐため、「建物検査のプロ」というポジションを作り、その人たちが評価し、住むのに適していると判断した中古の家を売買していこうとしているのです。

まさに、インスペクションシステムを構築したり、整えている最中であると思われますが、その「建物検査を誰がやるか?」というところが、今後明らかになり世の中に浸透してゆくことになろうと思います。

「建物検査のプロ」には私たちのような「建築士」も選定される予定です。私の事務所は、耐震を基盤に家づくりを考えてきたおかげで、これまでの流れを継続してゆくだけですが、今以上に耐震の重要性が浮き彫りになってゆきそうです。

この流れは、金融や保険も含め加速度的に進行してゆくと私は思っています。そのうちCMなどでも流れるようになるでしょう。実質、アンテナを高くはっている不動産屋さんなどからは、すでに調査依頼が来はじめています。(2013年3月時点)国土交通省も重要課題としてきている「中古の耐震」是非チェックしてゆきたい項目ですね。

□中古物件購入予定の方
□昭和56年前に建てられた家に住み続けておられる方
(昭和56年前の家に住んでおられる方は、法律の基準があいまいだった時代にお家を意建てられた方です。危険因子が含まれている可能性もあります。)

耐震診断をお勧めします。補助金制度もあります。

これからはじめるお話は、その耐震にまつわるお話です。

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その2.まずは家のセルフチェックをしましょう

耐震調査自己チェック

自分の家のことをひとまず自分でチェックしてみましょう。キーポイントは自分の家を建てた年です。昭和56年(1981年)5月以前かそれ以降かで建築基準法は大きく変わっています。56年5月以前はまだ基礎に鉄筋は入っていなくとも家は建てられました。また今の耐震性の半分程度でもあったのです。もちろんそれ以降であっても必ずしも安全とはいえないのですが、まずは自分で確かめてください。

あなたのお家は、以下の項目が当てはまりますか?もしも当てはまる項目が1つでもあれば、耐震調査をの対象になります。

●外壁や基礎にひびわれがなある
●床・廊下にビー玉を置くところがってしまう
●床下収納庫からの目視
●建具の開け閉めがとても困難
●地名がサンズイや水に関連している
●周囲に川・沼・水路・橋・道路・土地の高低などがある
●鉄棒を庭にさすと、しずんでいってしまう
●家が重い
●切土と盛土がまたがるところに建っている
●造成のガラが埋め立てられていた
●整地して間もない場所である
●家の形が変わっている(重さにばらつきがある)
●地層の偏り
●地下水の変化などによる自然条件の変化も重要です。

特に気を付けたい立地

石垣が積まれたような土地の上に建つ住宅は、注意しなければならないでしょう。「はらみ(はらみ出し)」といわれる状態を起こさないようにする事です。「はらみ」とは言葉どおりお腹が孕んだ状態のように、積んだ石が外側に弧を描いてしまう状態をいいます。なぜはらむのでしょうか?石垣は上部の構造物を支えるだけでなく、石垣の内部にある土圧、また雨水が溜まった場合は水圧まで発生します。これらの外力は、石垣を押し出す方向に作用します。そして土圧は石垣が高ければ高いほど大きくなっていきます。

地震に注意を要する立地1
▲立地的に擁壁がありのしかも長い場所
特に気を付けたい立地 その1

擁壁の長い区間に隣接する方は、写真のように長い亀裂が見られるかどうかチェックしましょう。組み合わされた石のブロックに隙間ができ続いているようなら要チェックです。

特に気を付けたい立地 その2

擁壁に囲まれた土地の上に家屋がある場合も気を付けたい立地です。擁壁を観察し、いつも水の染みだしにより濡れている場合、苔が生えている場合は要チェックです。

地震に注意を要する立地2
▲擁壁の上
特に気を付けたい立地 その3

宅地地盤(道路や側溝含む)・擁壁の変状が連続している立地も気をつけましょう。変状が長い区間続いてみられる場合は特に注意が必要です。

地震に注意を要する立地3
▲擁壁の上
特に気を付けたい立地 その4

盛土の範囲が特定されている場合、大規模な範囲での影響が考えられます。盛土の上端と盛土の下端の部分の擁壁に注目です。はらみ出しが起きている場合、下側に湧水がある場合は要チェックです。

地震に注意を要する立地4
▲盛土された場所

耐震に弱いと…こうなりかねません

壁面崩落
▲壁面が崩落しました
地震全壊画像
▲建物が全壊しています
倒壊寸前画像
▲かろうじて支柱で支えています
地震車庫つぶれ画像
▲1階の車庫がつぶれています
電柱・信号機倒れる
▲電柱・信号機が倒れています
1Fつぶれた映画館
▲1階部分がつぶれています
商店街のきなも崩壊画像
▲商店街が軒並みつぶれました
道路沈没画像
▲道路が陥没しています

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その3.耐震診断の流れと評価について

耐震診断は、一般的に「木造住宅の耐震診断と補強方法(財)日本建築防災協会発行」に基づき行われます。「中古の家を購入したいが、地震が心配である。」ですとか、「ずっと住み続けてるこの家と土地は安全か?」という依頼がほとんどです。調査は、人間の健康診断のようにとらえていただくと良いでしょう。健康診断をして、結果を待って、悪いところがないか、再度来院して、結果を聞く。 流れはこれと同じです。
料金は、建物の延面積をもとに算出します。1㎡800~1,000円です。

※建物が昭和56年以前に建てられている場合、費用の約2/3が佐倉市の場合は、補助対象に認められます。その他の各市町村でも補助がでる場合が多いので、各市役所にお問合せいただくか、当社までご相談ください。

【例】助成がでる場合の目安
800/㎡ × 100㎡ = 80,000円  (税別)

【例】助成がでない場合の目安
1,000/㎡ × 100㎡ = 100,000円  (税別)

現場調査のフロー

  • 評価の見方
  • 評価の見方
  • 評価の見方
  • 評価の見方

チェックしなければいけないポイントは「評点」の点数です。0.7未満の方は、耐震改修の計画を本格的に検討された方がよいでしょう。改修計画については、次の項目で詳しくお話ししたいと思います。

  • 調査風景1
  • 調査風景2
  • 調査風景3
  • 調査風景4
  • 調査風景5
  • 調査風景6

調査の詳細について

当社オリジナル地盤&建物チェック項目に基づき、診断書を作成し提出させていただきます。できた診断書は、解説つきでお届けします。以下にチェック項目を明記しますので、ご参考ください。

【1.周辺状況、地盤】
□地形の成り立ち(事前調べ)、周辺造成状況
□配管等
□隣家状況、道路状況、外構等(BCぐらつき、擁壁の状況等)

【2.現地聞き取り】
□家の歴史(設計、施工者、新築時入居か中古購入か、愛着度)
□リフォーム歴
□依頼者の心配事、不安部分、3.11の状況

【3.亀裂、劣化具合】
□基礎(外部・床下)
□外壁(モルタル打診、サッシ木枠) 
□内部壁 
□雨染み

【4.屋根】
□劣化状況、雨仕舞い

【5.図面確認】
□立面・平面図確認
□外部・内部撮影(診断時、報告時の2回)
→診断報告時に耐震補強箇所をさらに詳しく撮影する
→(床・壁・天井それらの取り合い)
→壁補強後の仕上げ、取り合い、周辺設備(エアコン)、家具移動、施工順序・搬入経路
→特に仕上げについて部分なのか、壁全体も行うのかを説明し確認
クロス?塗り壁、塗装、畳仕上げ、天井材、断熱工事併用?エコポイント

【6.傾斜測定】
□床
□壁(外部、内部)→建具の閉まり具合 
□不同沈下

【7.構造】
□梁掛け具合、ムリな組み方していないか
□重要な柱(特に1F太い梁が掛かって荷を食ってる柱)、スジカイ向き

【8.床下】
□シロアリ、含水状況
□基礎伏せ確認(平面図との対応)

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その4.補強計画・補強工事をする上で気をつけること

補強計画についてアドバイス

◆診断から補強まで全体の流れを把握するため、診断者と補強設計者は同一の方が望ましいでしょう。できれば工事中も現場監理を補強設計者がつくことがベストです。

◆施工者は別でも構いませんが、補強工事に慣れている会社がベスト。一般的なリフォーム工事とは異なるためリフォームと同じ発想だと正確で適切な工事が難しいです。

◆その理由は、建物の構造(軸組など)、劣化・損傷等を中心に検討されているため。又、見かけをできるだけ考え、リフォーム工事や断熱工事をからめて行うのは、コストの面で同時に行うのはプラスです。

コミュニケーションを大切に

◆そもそもなぜ補強をするのかを住み手との十分に時間をかけた話し合いと理解が大事です。

→依頼者と補強設計者が二人三脚で行う気持ちで進行してゆくことがもっとも重要です。補強を始める前の説明と理解をともに深めることにつとめます。
→これからの住み手の人生設計をともに考えながら、補強計画の検討をしましょう。
→費用対効果~補強設計には評点上のレベルがあり、どこまで行うかをよく話し合います。
  ~まずは評点1.0以上と偏心率の安定を中心に考えます。

◆補強方法の答えは一つではないことを理解していただきます。

→補強設計に決まったマニュアルはありません。現在その建物のおかれている状況はおのおの違います。劣化、使用度、施工内容、工法の違いもさまざまです。また施工当時の大工さん、工務店、ハウスメーカーそれぞれ独自の技術、工法で行っているので、一つとして同じものは存在しないと考えた方が良いです。

◆メリットをきちんと感じてください。

○精神衛生上とても効果があります。

→中越、中越沖地震、東日本大震災発生の調査で行った際の非難生活者の方々の苦労を考えますと今後の生活に精神的安定をもたらします。いたずらな不安感がなくなり、あやしい営業にのっからないで済みます。
→耐震補強は、究極の防災、一時避難施設・シェルターとしての役割があります。

○資産価値が上がります。

→劣化を直すということは、耐震性も増すが、建物そのものの寿命も伸ばす効果もあります。

→今、国の施策として新築から既存住宅の充実へ移行しつつあります。これからは、中古住宅の市場流通の活性化が促進されるでしょう。特に昭和56年6月以降の新耐震基準の建物とそれ以前では、建物の評価、資産価値が大きく差が出てきます。そのため56年6月以前の建物が新耐震基準のレベルまで検討されて耐震補強工事を行うことは不動産としての資産価値を高めます。

→こういった流れの中で、今、さまざまな助成制度や地震保険の減額が設けられている。ただし、申請窓口は複数あり手続き方法もさまざま。事前に十分に説明理解することが大事です。

補強工事について注意する点

◆劣化、積算、工事中劣化と積算(見積)について

耐震診断結果がすべてではありません。工事中も常に診断時には見えなかった、見えにくかった部分をさらに詳しく見ながら、更なる劣化、不具合、当時の施工不良部分をチェックすることでより正確に現状が把握できます。

補強時の取り合い、補強後の最終的な納まりは事前に詳細にシュミレーションすることが重要です。設備機器と配管配線、照明、コンセント、スイッチ、軒、収納、濡れ縁他建物付属物などこれまでの住み手の使い勝手など考慮します。

又、意外と問題なのは、既存軸組の継手です。木造軸組は接合部が最も脆弱で注意が必要。筋かいのある桁、梁、土台にある継手は耐震性に影響があります。

それらによって何か診断と異なる問題が判明した場合は、必要に応じて補強の再計算をすぐに行い、時には一部補強計画を修正する必要も出てくる。特に劣化をどれだけ見つけられるかは、補強工事の中で大変重要。さらにその原因をつきとめた上で工事をしないと補強の十分な成果があげられない。

よって、工事開始後は常に工事者と補強設計者は連絡を密にとって善後策を検討しなければならない。

また工事する側は積算において、不測の状況に対する見積の修正を事前に依頼者に誤解ないように十二分に説明し理解をいただいておく必要がある。

◆工事中について

◆住み手の生活時間、生活スタイルを十分に伺った上で、工事の進め方、工程表を作成し、できるだけ住み手に配慮した施工計画を検討しましょう。

→耐震補強の場合、高齢者の方々からの要望が最も多いため、無理のない工事計画を一緒に考えていきましょう。

例えば、住みながらの工事も可能なため、ある程度住み手の生活に大きな支障を及ぼさない工夫も大事。一部屋一部屋行うとか、一時的な荷物の他の場所への移動なども場合によっては必要です。

ひとによっては、これを機にお部屋の小物の整理、片付けをされる方もいるので、事前によく相談しておくことも必要でしょう。

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その5.【例1】耐震改修実例集 無筋基礎住宅の補強T邸の場合

【1】鉄筋のない基礎を補強するにはどうしたらよいか?答えは必ずしも一つとは限りません。このケースでは基礎をあらたに造り、今の基礎を二重にする増し張り基礎を行いました。ただ基礎にまた基礎をくっつけるというのでなく、このように基礎+土台+柱を一体化させて剛性を高めました。基礎だけ強くしてもその上がグラグラでは効果は高まりません。

【2】その増し張り基礎の配筋しているところです。給湯器が写真に写っていますが基礎を二重にするにあたって周囲の水道・ガス・電気関係の取り合いを十分に注意します。

【3】新しい基礎の型枠です。ところどころに挟まっている木は、床下換気口のためのものです。 前にあった換気口の位置にあわせて作ります。

【4】新しい基礎の型枠です。ところどころに挟まっている木は、床下換気口のためのものです。 前にあった換気口の位置にあわせて作ります。

【5】新しい基礎の型枠です。ところどころに挟まっている木は、床下換気口のためのものです。
前にあった換気口の位置にあわせて作ります。

【6】左官屋さんが出来た基礎を調整しています。水が流れるようにやや外側に勾配をつけます。

【7】板金を張り、外壁も張って完成です。見た目もそれなりに不自然に見えないようにしました。

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その6.【例2】耐震改修実例集 不動沈下S邸の場合

不動沈下S邸の場合

【1】この家にはじめて伺ったとき、ちょっと平衡感覚がおかしくなるような感じでした。一階の和室の床が特に傾いていました。原因は造成時に十分に地面を固めておかなかったからだと考えます。部屋の端から端まで8センチくらの差があり、戸もちゃんと閉まらない状態でした。いわゆる不同沈下です。

【2】当社で考案した家の土台を上げる(ジャッキアップ)するための特性金物です。これを土台の下に何箇所も挟み込み1ミリ単位でいっせいに上げていきます。

【3】家が水平になるまで上げたところです。上げた隙間には硬い木や鉄板を差込ます。

【4】レベル(水平をみる機械)のレーザーをあてて家が水平に戻ったか、部屋の四隅を確認します。

【5】最後に耐圧盤(鉄筋コンクリートの盤)を打つのですが、写真には入っていませんがジャッキアップする前にまず下がっている基礎の下を掘りコンクリート流し込み、また床全体を締め固めてから土台を上げています。この部分の基礎をいわゆるベタ基礎のようにして線でなく面で建物を支えていこうと考えました。

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その7.耐震改修工事にかかる費用・助成金や融資制度

耐震改修工事には国(国土交通省)や各市町村から補助金がでる場合があります。詳細は各市町村にお問合せいただくか、当事務所までご連絡ください。

参考 国土交通省の助成金に関するページ ⇒ http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/index.html

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その8.お申込み

「家の健康診断(お家の健康チェック)」は、皆様の家を見つめなおす良い機会になります。是非、ご利用ください。

調査詳細

  • ここでいう地盤調査はSWS方式は含まない調査です。私の経験と判断で行うものです。専門業者を使っての調査は別途料金がかかります。
  • 耐震の詳細は、「耐震診断の流れと評価について」の項目をお読みください。
  • 建物の老朽化を調べます。雨風による腐食なども同時にチェックします。
  • 基礎・ハリ・組み方等の構造を調べます。
  • 屋根を中心に、壁や普段目に見えない部も。プロならではの視点で調査します。詳細はこちら
  • 床にもぐり、柱回りを中心に調査します。
お申込み

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